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『お寺の収支報告書』革命なるか

お寺の収支報告書(祥伝社新書)

お寺の収支報告書(祥伝社新書)


埼玉県の曹洞宗のお寺、見性院住職の著。見性院手広く事業展開されています。ドメインだけでもいくつも保持されています。
みんなのお寺見性院
埼玉永代供養納骨堂
水子供養のことなら みんなのお寺 見性院
お坊さん紹介 | 僧侶グループ(善友会)による僧侶派遣・お坊さん派遣の非営利サイト
坐禅会.com
ペット供養のことなら みんなのお寺 見性院

檀家制度を無くしたり、お墓を卸から直接購入し安く提供したり、送骨サービスを始めたりと新たな試みをおられます。今までのお寺の収益構造に疑問を持ち、内部からテコ入れを始めたという点はネット上でも評価の声が多いようです。


家族形態の変化で檀家制度を維持するのは難しくなると思いますし、葬儀が簡素化して葬儀による収益の粗利率は減るでしょうから寺院経営は難しい時代に入ったようです。お寺の経営者として生き延びるために変革のときなのでしょう。


面白い発見がありました。寺院は本来宗教施設で個人の所有物にはならないそうです。(だから、固定資産税かからないのか。)鍵を開けっ放しのお寺がいたら、本来の運用をやっているお寺と言えます。建物も檀家が費用を負担していると考えると、お寺の空間って何なのでしょうね?お寺の役割の一つに布教があるにも拘らず、ほとんどのお寺は閑散としていると思います。普通閑散としている施設にお金は入りませんよね。お寺に人の出入りがなければ、信者を増やすとか、お寺を身近に感じてもらうといった積み重ねが出来ないと思います。


著者の改革で素晴らしいと思ったのはまさしくこのタッチポイントの増加でした。葬式を寺院で執り行う。業者の仲介がないというコストメリットもあるでしょうが、葬式は必ず人を連れてきます。独特の空間の中での挙式を通して、このお寺いいな、と思ってくれるひとも出て来るかもしれません。


書籍、住職のテレビ出演、Web上でのマーケティング、認知度が上がればやれることが増えます。FacebookTwitterのフォロワーの数が増えるでしょう。そして、一番大きな信用が増えてくる。遺骨を「ゆうパック」で送る時代:日経ビジネスオンライン
の記事によると送骨サービスの取り扱いは月5件程度らしいのですが、信用が増えると胡散臭い近くの寺院よりも、この有名な見性院に送りたいと思う人も出てくるかもしれません。今は小さな変革かもしれませんが、スマートフォン世代には大きな信用力を持っている可能性はあり、引き続き見ていきたいです。


ただ、著書の中で打ち出の小槌と表現しておられる戒名料の差別を収益源として確保しているところはネット上の評価同様私もよく思いません。またお墓の販売も58万円から150万円と格差あるのはいかがかと思います。死んだら平等でよくないのでしょうか。


IT x 葬送というコンセプトで仕事している自分としては、非常に参考になるお寺ですから、今後もいろいろと参考にさせていただこうと思いますし、応援しています。最後に一つ。今の宗派の収益構造の頂点に立つ総本山。各お寺の上納金みたいなものが今後減ってきた場合、送骨サービスを総本山がやり始めることはないのかしら。